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2014年度理事長所信|2014年度公益社団法人加賀青年会議所


未来を予測する最善の方法は、それを創り出すことである

 これはパソコンの父と呼ばれたアラン・ケイの言葉です。私は豊かさについて考えるときに、常にこの言葉を思い出します。本当の豊かさとは誰かに与えられた環境を生きることではなく、自ら選び取るものであることを、この言葉は言い表しています。いま社会に必要とされている豊かさとは、一人ひとりの個性を認め、自分や地域が持っている特性を引き出していくことなのではないでしょうか。
日本の人口は2005年から減少を始めました。この機を境に、社会の様々な分野に変化が現れてきています。例えば、大量生産・大量消費のモデル。今現在も企業の広告や学校の教育など、いかに効率的に画一的に効果を発揮するかという発想が、いたるところで見られます。拡大を前提とした社会モデルがほころびをみせ、量から質へと価値がシフトしてきている中で、効率だけでは捉えられない個別的な価値、個性を人々は求め始めています。

 時を同じくしてFacebookやTwitterといったソーシャルメディアがアメリカで誕生しました。このことにより人々が、マスメディアを通じて一方的に情報を受け取るだけの存在から、自ら情報発信できる存在になりました。人々の生活や考え方が可視化できるようになったことにより、外見や見栄ではなく、もっと本質的な中身のあり方に人々の関心が移ってきています。

<青年会議所の価値ってなんだろう>
 日本の青年会議所活動は戦後の混乱の中、東京の地で生まれました。加賀では、1965年に全国で307番目の青年会議所が誕生しています。地域企業を支える青年経済人の集まりが青年会議所であり、戦後の経済復興に主眼を置いていた青年会議所活動は地域社会の中枢を担い、戦後の高度経済成長を支えたといっても過言ではありません。これからの青年会議所活動は、地域の経済的基盤の確立だけでなく、地域の評判を高め、市民の貢献をひきだすようなハブ(拠点)として機能しなくてはなりません。

<加賀市の価値ってなんだろう>
 1958年に大聖寺町、山代町、片山津町、動橋町、橋立町、三木村、三谷村、南郷村、塩屋村が合併して加賀市が誕生しました。しかし50年たった今もなお、各地区の地元意識が強く、加賀市全体の「大加賀市民」としての意識はまだまだ低いのではないでしょうか。また、「加賀」という言葉に限って言えば、一般的に前田利家に始まる「加賀藩」、つまり能登から金沢、加賀までを含む石川県全域を指します。「加賀」という言葉は「加賀百万石」などの言葉で有名ですが、4つの温泉地を含んだ南加賀全体を示す「加賀温泉郷」という言葉は決して有名ではないのが現状です。北陸新幹線の開業を機に、加賀市や加賀温泉郷という言葉の価値やブランドについて皆で考え、情報発信していかなければなりません。

基本理念
<社会を動かす影響力を身につけよう>
 社会が拡大している中では、普通であることが価値を持ちました。社会の歯車となり、個性を消し、社会の一構成員として生活する。そのこと自体が社会全体にとって価値がある。みんなで共通の価値観を持ちながら幸せになれる時代でした。しかし人口減少する社会の中で普通であるということは、場合によっては経済的縮小を意味し、必ずしも一人ひとりの幸せを意味しません。むしろ多様な価値観を持ち、多様な幸せを追求することが、社会全体の幸福を増進することになります。
 そして、社会が個人資本を求める時代から社会関係資本を求める時代へと変化しつつあります。言い換えれば、財産の個人所有から社会貢献への価値観の変化です。そこでは意見表明することが重要な意味を持ちます。何かを評価することが他の人にとっての価値を持ちます。「あれはいいよ」「これはおすすめだよ」という口コミ自体が価値を持ち、情報が増えるほど価値が増す社会です。ソーシャルメディアなどを活用し自分の考え、個性を積極的に発信していくことが、社会全体の価値を高めて活性化させていくことにつながります。
 また、必ずしも経済的な発展だけが豊かさとは呼べなくなってきています。むしろモノで溢れ、食べるものに困ることがない今だからこそ、個人の尊厳や社会的なつながりの重要性が増しています。公共を意識し、社会に対してもの申していく。ぬるま湯から脱却し、新しい価値を創造する。率先してリスクを取り創造的破壊に挑戦していく。それがしがらみを持たない我々若者に与えられた使命です。
 自分の考えや行動を情報発信し続けることにより、まわりの人々に好ましい影響を与えていく。一人ひとりが自分の意見を持ち、評価を集めるように努力する。社会に対する影響力を強めることは、21世紀においては貨幣的な価値を超えた価値を持ちます。その地域に住む人々の一人ひとりの価値を高めれば、豊かな社会が実現できると私は信じています。

<(公社)加賀青年会議所50年目の変革>
 40周年ビジョン「総発て、かがもん!」は、北前船主の気概を加賀市民の気風に見立てて我々が進むべき姿を示したものです。単年度の壁を乗り越え、中長期の事業の方向性を示し、対外的な効果を高める上で大きな貢献を果たしました。50周年を機に、(公社)加賀青年会議所はもう一度若返りを図る必要があると考えます。年齢が若いというだけではなく、過去に囚われない変化の大きい事業を行うことが(公社)加賀青年会議所の魅力を高めると思います。社会の趨勢に敏感に反応し、そのときどきで関心度の高い事業を行うことで、組織として若くあり続けられると考えます。

<ソーシャルキャピタルの拡大>
 東日本大震災を機に、地域のつながりが見直されています。人と人とのつながり、地域コミュニティー、地域文化、そういったものを総称して社会関係資本(ソーシャルキャピタル)と呼びます。我々が地域から支持されるためにも、ソーシャルキャピタルの拡大に貢献しなければなりません。地域のネットワーク(絆)、信頼性、互酬性。こういったことは青年会議所活動を通じて自然と身に付くものです。ソーシャルキャピタルの輪を、(公社)加賀青年会議所をひとつの拠点にして広げていけたらと思います。

<加賀ブランドの確立>
 加賀市ができてから50年以上たちますが、いまだ加賀ブランドは確立されているとは言いがたい状況です。地域のブランドを構成する要素は歴史、文化、食、工芸、芸能、あるいは、産業、福祉、教育、環境など多岐にわたります。地域の人々の地域資源に対する共通認識を醸成し、共通したイメージを外部に向けて発信していく努力が必要です。また、各地区の壁を乗り越え「大加賀市民」としての市民意識の醸成に向けて努力していく必要があります。(公社)加賀青年会議所としても、北陸新幹線の開業という大きな外的要因に対して「加賀ブランドの確立」をテーマに据えて、50周年記念事業を行っていきたいと思います。

基本方針
<伝統とは革新である>
(公社)加賀青年会議所の存在意義を強め活性化していくためには、常に社会からの要求に答え、新しいメンバーの心を掴み続ける必要があります。決して固定化、形骸化してはいけません。
 そのためには風通しのよい組織をつくる必要があります。石川ブロック協議会をはじめとする(公社)日本青年会議所本会、シニアメンバー、地域の諸団体、行政と連携し、事業の重複を避けて効果を最大化していかなければなりません。また、情報発信を強めることで、多くの人々に(公社)加賀青年会議所の事業を知ってもらい、多くの人々を巻き込み、評価を高める努力をする必要があります。認知度が高いということはそれだけで価値があります。また、行動・体験の重要性を認識し、理論より実践の傾向を強める必要があります。多くの体験による若いメンバーの成長が組織の価値になると考えて、単なる研修にとどまらず、社会の諸問題に対して問いかけるようなダイナミックな事業を行っていきます。子どもの事業に関しては我々の伝統的に得意とする分野であり、加賀市の新しい時代を担う子どもたちのために、その強みを発揮していかなければなりません。魅力溢れる、活力ある大人がいる地域では、子どもたちもそれを見習って希望をもって成長できます。子どもたちが自分たちの生まれ育った地域に、希望を持ってもらえるような事業を行っていきます。組織としては、会員拡大を最重要課題として捉え、メンバー一丸となってよりよい事業、より影響力のある事業を行うための会員拡大に邁進する必要があります。また、一昨年取得した公益法人格については、運営を進化させ組織基盤の確立に努めます。

価値創造室<地域の希望委員会>
 これからの加賀市アワーでは、加賀市を取り巻く現状と、これからの課題について考えてもらいたいと思います。統一事業は、大人と子どもが一緒になって地域の希望をつくるような事業にしてもらいたいと思います。

地域創造室<まちづくり委員会>
 行政アワーでは、これからの民間と行政のあり方について考えてもらいたいと思います。JC大學では個人の情報発信能力を高め、個人の魅力を高めるパーソナルブランディングについて学んでほしいと思います。50周年記念事業では、「加賀ブランドの確立」をテーマにした発信事業を行ってほしいと思います。

未来創造室<こども委員会、交流委員会>
 加賀郷土かるた取り大会は子どもたちの郷土愛を育む事業に、わんぱく相撲は日本の国技である相撲を通して子どもたちの健全な心身を育む事業にしてもらいたいと思います。青少年事業は、中高生を対象にこれからの加賀市を担う人材の育成に努める事業にしてもらいたいと思います。新年交流会は、50周年のスタートにふさわしい情報発信のできる事業にしてほしいと思います。会員拡大は、組織の最重要課題として地域の人々を巻き込んだ拡大活動を行ってほしいと思います。3分間スピーチは、メンバーの個性を発揮できるものにしてもらいたいと思います。卒業式は卒業生にとって青年会議所活動に対しての誇りを持って卒業できる事業にしてもらいたいと思います。

事務局
(公社)加賀青年会議所として事業の効果を最大限に引き出すため、事務局はメンバーの一体感を強め、迅速かつ適切に組織の運営を進めていかなければなりません。また、外部に向けて情報発信することにより、青年会議所活動の認知度向上に努めてほしいと思います。クリスマス家族交流会は、メンバーが家族に対する感謝を伝える場にしてほしいと思います。

財政特別理事
 まだスタートして間もない公益社団法人としての運営を確固としたものにするために、メンバーへの情報周知、委員会への財務面からのサポートをしてほしいと思います。また、メンバーから預かった会費が効果的に使われるように、予算に対する精査に努めてほしいと思います。

50周年実行委員会
 50周年はメンバー全員で取り組むことを明確にするために実行委員会を別に組織し、運営協議会を理事会から独立して立ち上げます。これまで培ってきた(公社)加賀青年会議所の歴史を踏まえつつ、新しい門出を飾るにふさわしい50周年式典・懇親会を実施してほしいと思います。

You are what you eat.(食べているもので、その人の人となりがわかる)
 これは古くからある英語のことわざです。ただ理想について想いをはせ熱く議論するだけではなく、実際に個人としてどう生きるか、行動で示すことが大切です。行動が事実をつくり、事実が人の意識を変えます。ソーシャルメディアが発達した現代では、言葉だけの嘘や見栄はすぐ見抜かれてしまいます。また常に自分の意見を求められ、他の人と同じであること、匿名であり続けることも難しくなってきています。覚悟を持って自分の生まれ持った個性を発揮し、個人が光り輝くことができれば、地域全体が活性化し、必ず「明るい豊かな社会」が実現できるでしょう。新たな(公社)加賀青年会議所の1ページを、みなさんとともに切り拓きましょう。