理事長所信

2025年度 公益社団法人加賀青年会議所

理事長所信

~はじめに~

「夢なき者は理想なし」

これは昨年、新紙幣の肖像として描かれた渋沢栄一の「夢七訓」の始めの一文であり、夢を持つことが重要であると示した言葉です。渋沢栄一は日本国内の多くの企業の設立や新たな制度の制定に関わるなど今の日本経済の基盤を築き上げ、新たな時代を創った人物の一人でもあります。彼が関わった企業や制度は誰もが一度は耳にしたことはあるのではないでしょうか。彼がこのような功績を残すために行動を起こした原動力は、社会や地域を良くしたいという大きな夢を持っていたからです。大きな夢は地域や経済を変革し、新たな時代を築くことが出来るほどの力を持っているのです。
私は加賀青年会議所に入会する以前は特に夢もなく毎日を過ごしていました。そんな中、この加賀青年会議所に入会し多くの経験をして社業や地域、この組織のことについて将来どんな風にしたいのか考え、一つの夢を持つ事ができました。それは多くの人を笑顔にしたいということです。多くの人を笑顔にする。この言葉だけ聞くと綺麗事に聞こえるかもしれません。しかし、一度考えてみて下さい。私たちが努力し行動を起こす事で、家族や友人など誰かが笑顔になっています。私たちは常に誰かのために行動し、その行動は私利私欲のために行動するよりも強大な力を生み出しています。そして、青年会議所の掲げる理念である「明るい豊かな社会の実現」とは笑顔が絶えない社会、すなわち人々が夢を持てる社会なのではないかと考えます。今の私の夢は加賀青年会議所の会員や加賀の人々を一人でも多く笑顔にすることです。その夢をしっかりと持ち続け行動を起こすことで、組織や地域に大きな変革を与える事ができ好循環な社会を形成する事ができるのではないでしょうか。

基本理念

~新たな時代を創造するため挑戦できる組織へ~

加賀青年会議所が設立し61年目を迎えます。我々はこの加賀青年会議所が設立してから「明るい豊かな社会の実現」を理想に掲げ活動を行ってきました。今の加賀青年会議所が存在し意欲的な活動を行ってこられたのは、多くの諸先輩方が残してくれた崇高な志が連綿と受け継がれてきたからです。これから我々が「明るい豊かな社会」を実現させるために、地域を知り、人財を育て、仲間と友情を育み、理想を実現することがこれからの活動に必要です。
青年会議所の理念である「明るい豊かな社会の実現」は現在の社会情勢や経済によって数年前とは解釈など大きく変化していると感じます。そして、時代の変化に併せこの理念を実現するため、組織の在り方も変革していく必要があります。日本青年会議所は戦後間もない頃日本の再建をするため設立されました。そして、その頃の課題とは戦後からの復興や経済の発展が重要だと捉える事が出来ます。現在では、少子高齢化や人口減少問題、地球温暖化などの環境問題など設立当初とは異なる課題が山積しており、設立当初の時代と当てはめて考えるのは難しいのではないかと思います。時代が移ろい変化していくなかで、課題も変化し今までの方法や手法では通用しないことの方が多くあります。では我々青年は何をすべきなのか。それは理想を実現するため、何が求められ、何を与える事ができるのかを探究し、検証し挑戦し続けていくことです。それが時代を創り、築いていける事に繋がると私は考えます。だからこそ青年であり経済人である我々若者の感性や発想力、圧倒的な行動力が必要となってきます。新たな時代を創るためにも、会員が何事にも臆することなく挑戦できるような組織を目指し加賀に旋風を巻き起こす、そんな加賀青年会議所でなければなりません。

~地域に必要とされる組織となる~

昨年3月に開通した北陸新幹線加賀温泉駅開業に伴い、新幹線開業イベントを行うなど活気が溢れ加賀が一つになっていたように感じました。しかし、開業後は観光客や乗車率など期待していたほどの経済効果はありませんでした。その結果、開業後は開業前ほどの活気や地域の一体感も薄れているように私は感じます。あの開業前の加賀の活気や一体感が今後も持続することができれば、地域外からの関心を引き活性化すると考えます。地域が活気に満ち溢れる事は、地域のこれからを考える人が今までにない新たな取り組みを生み、地域への想いが多くの人に伝播していくと考えます。そして、その地域の新たな歴史や文化を生み出します。そのためには地域への強い想いが必要です。地域への想いが行動を起こすための大きな原動力となり、実現のために何が必要なのかを考え、巻き込み活路を切り開く事に繋がります。そのためには、地域を牽引し活気を沸かせるような存在が必要なのではないかと考えます。
加賀青年会議所が存在するこの加賀にも多くの団体や組織があり、加賀には「加賀青年会議所もある」と選択肢の一つとして存在しています。これは加賀青年会議所が他の団体との差別化が出来ていないからではないかと考えます。加賀青年会議所がこの地域にとっての唯一無二の存在であるためには、圧倒的なリーダーシップで先頭に立ち、加賀に住む人々に多くの機会を提供し、運動を起こすきっかけを作る組織である必要があります。そのためには地域のこれからの未来に対し真剣に考える組織でなければなりません。その想いが強ければ強いほど地域を活性化するためにリーダーシップを発揮する事ができ、地域や人々の信頼を得る事が出来ます。そして、信頼される組織だからこそ我々の活動に理解や共感を得られ、この加賀青年会議所が地域にとって必要な組織になります。私はこれからこの加賀青年会議所は加賀には「加賀青年会議所もある」から「加賀青年会議所がある」と言われる組織であるべきだと考えます。

~メンバーが輝ける組織~

青年会議所は大人の学校だと言われる事があります。それは社会人としての礼儀作法や社会情勢、そして、経済から自己啓発まで多くの事を学び成長することができるからです。そして、入会しなければ知り得る事が出来なかった世界がそこには広がっています。これは、この青年会議所会員の特権であり、これからもそうでなくてはならないと考えます。このような学びや経験があるからこそ、青年として大きく成長し多くの場面で活躍する人財となります。地域に影響を与えるほどの人財が多くいる組織は活気があふれた地域になります。そのため組織にとってメンバーの成長が必要不可欠であり、メンバーの成長は組織の価値や質を高めることに繋がります。メンバーが大きく成長することで活動への活力に繋がり、組織を大きく成長させることになります。人には得意、不得意があり知識や情報には偏りが生じるものです。しかし、それがその人の個性であり大きな武器でもあります。個性を磨き輝ける組織こそがメンバーが成長するためには必要であると考えます。そのために組織としてメンバーが成長できる環境を整備し誰もが適材適所で活躍できるようにすることでメンバーの成長に繋がります。それが加賀青年会議所や加賀にとって必要な人財になります。

 

基本方針

~新たな活動の礎を~

加賀青年会議所は創立60周年で「シン・加賀JC構想~カガイッシンを創造せよ~」を発表しました。我々の住む加賀には多くの課題が山積しており、これらの課題は一朝一夕で解決できるものではありません。このような問題の根幹には人と人の繋がりが薄れ、地域への愛が継承されていないことです。多くの世代や地域の境界を無くし、繋がりを持つことで伝承と継承が繰り返されます。そしてそれが加賀に住む人々が自ら率先して行動する持続可能かつ新たな加賀の創造に繋がります。そのために加賀青年会議所は三つの行動計画、「イッシン」を活動に取り入れます。まず一つ目は最先端推進計画の「一新」です。これはこれまで培ってきたものに最先端技術、情報を織り交ぜ新たな発見があることで更なる加賀の発展に繋がります。二つ目は人財開発計画の「一進」です。これは現状の社会環境の境界を超え、加賀のために意欲的に行動できる人財を育成することで、自身の能力を高め、加賀のために行動する意欲が湧きます。そして、三つ目は地域連携計画の「一心」です。これは各世代や地域が境界なく繋がり、加賀をよくしたいと思う気持ちを育み、加賀への想いが沸きます。この三つの行動計画を取り入れることで、色々な境界の枠を超え、わくわくが溢れるまちへとなります。我々は明日の加賀を考え、共感を育み、持続可能な加賀を創出するために新たな活動の礎を築かなければいけません。

 

~地域の枠を越え 新たな関係を築く~

2024年に開催された世界経済会議ダボス会議では、「信頼の再構築へ」をテーマに世界の政府、経済人が中心となり、多くの議論が交わされました。そして、今回の会議の中でグローバル・パートナーシップという言葉が多く出ており、政府や企業などが多方面との協力を得ることで、発展と多くの課題が解決される可能性が高いと結論が出されました。これは、他方面との協力が新たな解決策を見出し、社会に大きな影響を与えることができるということです。
我々は常に加賀の未来を考え活動をしてきました。それは、加賀の課題を解決し、この素晴らしい歴史、文化、風土を守りたいという強い想いがあったからです。しかし、加賀青年会議所だけが独りよがりで活動するだけでは何一つ課題解決には繋がりません。課題解決のためには我々がしっかりとした理想の未来を描き、道を示し、地域や団体、人を巻き込むことで課題を解決するきっかけになると考えます。そして、この情報化社会では溢れんばかりの情報があり、その中にはこの加賀にも活用できるような情報や成功事例など多く存在します。加賀の課題を解決すためには、その課題を加賀だけで解決するのではなく、地域外の情報を取り入れ協力関係を築き、それを加賀の地域、団体、人と繋ぎ合わせることが我々のやるべきことだと考えます。我々のこれまで長い月日をかけて行ってきた活動には信頼を構築できるほどのものがあります。だからこそ加賀青年会議所の活動に自信を持ち、地域の枠を越え、新たな関係を築くことで、この加賀が今より輝くことが出来るのではないでしょうか。

~確固たる信念を貫く事業を~

「多様性」。この言葉は最近よく耳にする言葉ではないでしょうか。昨年開催したパリオリンピックでも多様性を取り入れ一人ひとりの個性を尊重した演出がよく見られました。この言葉が日本に浸透し始めたのは2020年東京オリンピックからであり、現在では企業や教育現場でも受け入れられるようになりました。世界が1980年頃から受け入れ始めた頃から比較すると、日本はまだ歴史は浅くこの言葉をトレンドとして使用しているように感じます。個人の性格や思考に対してこの言葉はとても便利ではあります。そして、この加賀青年会議所でも多様性を受け入れ、メンバーそれぞれの性格や思想を尊重し個性が輝くよう取り組みを行っています。私はこれからの世代を担う若者が集まり活動を行うこの組織には多様性を受け入れることは必要なことだと感じます。しかし、多様性を尊重しすぎるがあまり、我々の活動の信念がぶれるようなことがあってはいけません。今まで積み重ねてきたものや根幹、そして、変えてはならないものをしっかりとメンバーが理解するからこそ、一本の筋が通った活動に繋がります。やりたいではなく、やらなければならないことを優先し、何事もやり抜く確固たる信念を貫き加賀青年会議所らしい事業を展開していきましょう。

 

~公益社団法人から一般社団法人へ~

創立60周年記念式典では一般社団法人への移行を発表しました。昨年、今後の加賀青年会議所の在り方や方向性を検討し、公益社団法人格など持続可能な組織を目指す中でこの移行を決定しました。現在の加賀青年会議所は会員数の減少など課題も抱えており、多くの制限がある公益社団法人格は活動以外のメンバーの負担が増加しているのが現実です。現役メンバーに無理を強いることは活動の規模や意欲を削いでしまう可能性があります。だからこそメンバーには柔軟に活動ができる組織である必要があります。そして、地域にとって加賀青年会議所の信用はこれまで諸先輩方が活動し積み重ねてきたおかげで十分得らており、一般社団法人へ移行してもこれまで受け継がれた志は変わることはありません。これまで我々を支えて頂いた多くの諸先輩方に敬意と感謝を持ち、受け継がれた崇高な志を一般社団法人へ移行しても引き継げるよう本年度しっかりと準備します。

 

■会員担当委員会

現在、この加賀青年会議所の会員は情熱的で個性溢れる魅力ある会員ばかりです。魅力溢れる会員が多い組織は、会員同士が互いを高め合い活動意欲の向上に繋がり、地域へと還元されます。そして、会員の増加はこの組織の活動の幅を広げ、新たな取り組みが可能となります。だからこそ地域のためにこの組織の会員の拡大はとても重要であり、最優先で考える必要があります。現在、この加賀にもまだ我々の知らない魅力溢れる人財がいます。そのような人財に会員の情熱や魅力を知っていただき共に活動をするきっかけを作り、関係を構築する事で魅力溢れる同志が増加します。「明るい豊かな社会」を実現のため、まだ見ぬ同士を入会へ導き、持続可能な組織のため会員拡大を行う必要があります。
青年会議所は、限られた時間の中で、地域や自己成長のために仲間と共に切磋琢磨し友情を育み、その志を次の世代へ継承する必要があります。限りある時間の中で活動するからこそ、多くの経験が卒業後も新たな舞台で行動する力となり、地域で活躍する人財になります。「会員拡大」では、この加賀青年会議所という組織や所属する素晴らしい会員を知ってもらい、新たな同志を入会に導いて頂きたい。そして、会員が一年を通して会員拡大を意識し行動を起こすような事業として頂きたい。「卒業式」では、在籍メンバーが卒業生の志を引き継ぎ、感謝と敬意を伝える事業にして頂くと共に、卒業生が加賀青年会議所を心置きなく卒業して頂けるような事業にして頂きたい。

 

■地域連携委員会

加賀が活性化するためには加賀の伝統が花開く必要があります。そうなる事で、加賀に住む人々が地域に誇りを持ち、加賀の未来を考え行動を起こす地域になると考えます。そして、伝統とはその地に住む人々が古くから受け継いできたものであり、加賀の伝統は華やかな色彩の九谷焼や温泉など今の加賀を象徴するものです。また、この伝統の魅力は加賀市外の多くの地域で認知され支持されており、加賀の観光資源として大きな役割を担っています。加賀に住む人々がこの伝統に誇りを持ち活用する事で加賀が活性化すると考えます。しかし、次々と新たな物が生まれ消えていく現代では、少なからずこの伝統を軽んじている人々がいると感じます。伝統を軽んじることは加賀の未来が途切れることに繋がります。だからこそ加賀の人々が加賀の伝統の魅力や新たな可能性に気付き、活用する必要があります。そのためには、地域外からの協力や情報を活用し、加賀の人々が身近過ぎて気付く事のなかった新たな視点を取り入れなければなりません。そして地域内外で協力し合う事で加賀の伝統に誇りを持つ事に繋がり、その想いが活気となり地域が活性化します。「地域アワー」では、地域内外のリソースを取り入れ、加賀の伝統の魅力を再認識し新たな可能性を感じ、加賀の未来を考えるようなアワーにして頂きたい。「地域活性化事業」では、加賀に拘らず多くのステークホルダーを巻き込み、加賀に住む人々が行動を起こすきっかけを作るような事業にして頂きたい。

 

■人財開発委員会

現在、私たちの生活はデジタル社会へ急速に変化しました。企業や行政ではAIを導入し、AIのアイデアを参考に労働時間の短縮や生産性の向上に役立てるなど、AIは私たちの身近なものになりました。そして、これからAIは精度を上げ、今まで以上に生活に欠かせないものになると考えます。世界の経済評論家たちもAIの利便性を考えるとこれからもAIを上手に利用し共存をしていく必要があると発言するほどです。急速に変化する社会だからこそ、人もそれに対応する力を身に付ける必要があります。時代に対応する力を身に付ける事で地域の新たな文化が生まれ、地域が発展することに繋がります。人財を育てるのも我々の使命であり、そのような人財がこの加賀に増えることで、加賀の未来を考え行動する人が溢れるまちへとなります。だからこそAIや最先端技術を活用、共存し、時代に対応する力を身に付ける必要があります。「加賀郷土かるた取り大会」では、担当事業として、これからの活動も考え他団体と協力し、かるたを通して郷土愛を育んで頂きたい。「わんぱく相撲」では、子どもたちの健全な心身を育むため、真剣に相撲に取り組めるよう円滑な運営に努めて頂きたい。そして、子どもたちの笑顔が溢れる大会にして頂きたい。「人財育成事業」では、最先端技術を活用し、一人ひとりの個性や可能性を伸ばすような事業にして頂きたい。

 

■事務局

事務局では、この組織の縁の下の力持ちとして、各会議における準備などこの組織が円滑に進むように規約や提出期限の厳守、そして規律ある運営を心がけて頂きたい。組織の窓口として、組織の下支えとして事務局は表に出る事は少ないかもしれませんが、組織において事務局はとても重要な存在です。組織の事を念頭に置き自信を持って運営して頂きたい。広報では、加賀青年会議所の活動報告など継続的な発信を行い、この組織の活動の周知をして頂きたい。「新年交流会」では、2025年度の加賀青年会議所の方向性を地域にしっかりと発信を行うと共に、新年を迎えるにふさわしい事業にして頂きたい。

 

■財政特別理事

財政特別理事は、我々の会費が正しく処理されているのかを精査し、透明性のある会計を心掛け、費用対効果の面からも提案し効果的な事業を行えるようにして頂きたい。また、補助金やクラウドファンディングなど事業を行うために必要な外部資金も活用できるのであれば活用し、事業に活かして頂きたい。そして、コンプライアンスなど法令を遵守し、この組織の健全な運営を行って頂きたい。

 

■正副(ビジョン共感アワー)

ビジョン共感アワーでは、正副メンバーが中心となり、メンバーに創立60周年で発表したビジョンの方向性と理解を深め、今後どのような事業が展開できるのか考え、これからの事業や活動に繋がるようなアワーにして頂きたい。

 

■一般社団法人準備委員会

一般社団法人準備委員会では、まずは組織の中枢を担う会員が中心となり、定款の変更や財務処理など公社から一社に移行するための準備を行って頂きたい。そして、全会員の理解を得て移行を円滑に行えるための準備をして頂きたい。

 

~最後に~

「やらない善より やる偽善」
周囲にどう思われても確固たる信念を持ち行動を起こしましょう。
行動するからこそ善となりこの加賀の希望の光として
この加賀に必要な組織となるはずです。
そして、我々が行動を起こす事で、必ず誰かが笑顔になります。
会員全員がこの加賀青年会議所の主人公です。
人々の笑顔溢れる「明るい豊かな加賀の実現」を目指し
英知と勇気と情熱を持って突っ走りましょう。

公益社団法人加賀青年会議所 第61代理事長 島 大助