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2010年度(社)加賀青年会議所 理事長所信
“かがもんよ、大志を抱け!”
米国のサブプライムローン問題から端を発した、百年に一度とも言われる世界的大不況。我々が住む、この加賀市においても商工業とも景況感に乏しく、人口流出と少子化に伴い人口減少に歯止めがかからず、まち全体の活気が失われつつあるのは紛れもない事実であり、「明るく豊かな社会の実現」を掲げる我々青年会議所メンバーを取り巻く情勢は厳しいものと言わざるを得ません。
こんな時代に青年会議所活動なんてしている場合じゃない。そんな声も囁かれるかもしれず、ある意味、的を射ているのかもしれません。しかし、何もせず悲観していても当然好転するものではありません。逆にこんな混沌とした先行き不透明な時代だからこそ、一人の青年経済人として、一人の子を持つ親として、一人の地域に根ざす大人として、一人のJayceeとして、そして一人の人間として、本来成すべき事、使命について自分を見つめ直しながら考え、行動に移すことができる絶好なチャンスであると考えます。そしてその根源として最も大切なものが“志”であると私は考えます。
では“志”とはどういうものなのでしょう。辞書等で調べると、心に想い決めた目的とあります。さらに言及すると、自分の幸せや利益、名誉の為の想いではなく、“志”とは多くのひとの幸せのため、社会の幸せのために何かを成し遂げようとする想い、決意であります。
私利を満たす野心で成した私事は一時で儚く消えてしまうかもしれませんが、志を持って成した志事は、必ずやその想いに賛同し、それを受け継いでくれる同志が現れると信じます。そして志が高ければ高いほど、自己の潜在的なエネルギーは力強く引き出されていくと思います。また同時に困難や苦しみも大きくなるでしょう。しかし、その困難を乗り越えた時、その先には必ずや多くの喜びや感動が待ち受けていると信じます。
本年度理事長として、この時代に青年会議所活動をさせて頂けていることに感謝し、偶然ではなく必然的に集った60余名のメンバー一人ひとりが大志を抱き、大志を果たすために勇気と情熱を持って行動出来る組織を目指します。
基本理念
ONE for all, ALL for one “一人はみんなのために、みんなは一人のために”
ラグビーの精神で使われる言葉であります。ラグビーは足の速い人、遅い人、体の大きい人、小さい人、それぞれの個性を活かしたポジションが用意されており、時に自分が犠牲になっても、そのポジションでの役割を一人ひとりが全うしながら、一つのボールをゴールラインまで運ぶ球技であります。そして、そこには仲間を尊重し、信頼する気持ち、犠牲になった仲間への感謝の念が必ず存在します。
青年会議所活動もまさしくその精神の上に成り立っているのではないでしょうか。我々は自分一人のために活動しているのではなく、メンバー全員、しいては加賀市民のために存在し、活動しているということ。そして自分一人のためにメンバーが、加賀市民が何かをしてくれるという考えではなく、自分はみんながいるからこそ青年会議所というフィールドで青年会議所活動が出来るということを改めて念頭に置いて頂きたいと思います。
一つの志(ゴール)に向かって、一人の力で独走することは可能でしょうか。一人では限界があります。振り返ってください。志がつまったボールは後方にしか渡せないかもしれませんが、必ずやあなたの志(ボール)を受け取るべく全力で走っている同志がいるはずです。
基本方針 45周年ビジョン「我が地域(わがまち)、かがもん構想」
(社)加賀青年会議所は昨年、創立45周年という節目の年を迎えることが出来ました。本年度は、45周年式典の場にて発表させて頂いた45周年新ビジョン「我が地域、かがもん構想」を胸に新たなる一歩を踏み出す年であります。ビジョンとは我々の組織としての目的、いわば“大志”を具現化させるために視野化された中間目標であります。
では我々の組織としての“大志”とは何か。一言でいうならば、我々の住む地域の子ども達に少しでも明るい未来を創造することであると思います。その為に我々は組織として今後、この加賀市を舞台に、何をしていけば良いのかを定めたのが45周年ビジョンであります。45周年ビジョンでは加賀市の将来像を“ひとが地域を創造し、自律する加賀”と定めました。我々の地域にある様々な恵み、つまりそこに住むひと、固有の文化、歴史、自然などを再認識し、それらを活用しながら行政と共に、主権者である地域住民が主役となって地域を運営していこうというものです。
もちろん一朝一夕では実現出来ません。達成度も数値化は難しいかもしれません。しかし、我々が信念と情熱を持って活動していけば必ずや我々の想いは市民に届き、実現への扉が開かれると信じます。
傍観者でなく行動者たれ!
青年会議所活動の根幹は云うまでも無く委員会活動であります。メンバーが自由に個々の志(想い)をぶつけ合い、共に考え、共に苦しみながらメンバー全員で事業を構築して頂きたいと思います。また各事業に対し、いかにメンバーの情熱を注ぐことが出来たかが重要であると思います。その為にも委員会毎の志(目的)、メンバー個々の目標や役割を明確にし、失敗や結果を恐れず、過程に重点を置き委員会活動のさらなる活性化を目指して欲しいと思います。
会員交流委員会
加賀市を活性化し、我々の組織としての大志を達成するにはより多くの同志の力が必要です。青年会議所の魅力を発信するのと同時に、メンバー個々が感じている魅力を自分の言葉で存分に発信してください。拡大担当委員会として、全メンバーの意識の醸成を図り、戦略をたて年間を通じ邁進して頂きたいと思います。 各種交流事業は、公益性も考慮しながらメンバー間の絆、先輩諸兄との絆、そして家族との絆をより強固に育める事業を構築して頂きたいと思います。
会員開発委員会
我々メンバーは地域の未来を担う青年経済人であり、自らが地域を創る担い手であるという事を常に念頭に置く必要があります。持続可能な地域、志高い持続可能な企業を創っていくために、この時代に我々が必要とする能力とは何かを考え、地域に、企業に、自分自身にフィードバック出来る研修事業を構築して頂きたいと思います。また外部協力者の知恵のみではなく、委員会メンバー全員の知恵を結集することを望みます。
次世代共育委員会
我々は青年経済人とあると同時に、子ども達の心の成長過程に大きな影響を及ぼす親世代であります。教育の基本は、「知育」「体育」「徳育」「食育」と言われていますが、中でも特に大切にしたいのが、心をよく育てる「徳育」であると思います。次世代を担う子ども達に命の尊さや全てのものに対しての思いやりの心、生まれ育った郷土を愛する心を育むと同時に、我々メンバーを含む地域の大人達が自らを律し、道徳心の大切さを再認識できる事業を構築して頂きたいと思います。
地域共育委員会
近年、政府が発表した新学習指導要領では、「生きる力」として大枠3つの定義がなされ、どれも必要不可欠な力であると考えます。では、「生きる力」を支える源は何なのでしょうか。私は、自分の人生における意味を考え、人生の目的(志)を定める事であると思います。本年は、未来を担う青少年にとって、変化が激しく複雑で難しい時代を生きていく為に本当に必要な「生きる力」とは何なのかを今一度考え、地域コミュニティーの活性化、並びに地域共育の在り方に一石を投じる、青年会議所だからこそ出来る体験型事業を加賀市の様々な恵みを背景に構築して頂きたいと思います。
地域力推進委員会
加賀市が誇れる地域の資源は幾多とあります。その中でも一番大切な資源は、加賀市を愛し、誇りに想い、加賀市の将来を想い生活している“ひと”であります。地域主権、地方分権が推進されている今日、我々青年会議所として取組むべきまちづくりとは、数多ある加賀市の魅力ある地域資源や問題点を市民に発信し、市民意識を醸成させる事であると思います。本年は青年会議所のネットワークを活かし、新しい市民参画のかたちとして、市民の声を行政に反映させる事業を構築して頂きたいと思います。
事務局
組織の屋台骨となる事務局には、定例会をはじめとする諸会議において、規律ある、正確な運営をお願いしたいと思います。また委員会との連携を密にしながら、ホスピタリティ精神を持って率先して行動することを望みます。広報については、公益法人制度改革を念頭に入れ、組織としての情報公開を推し進めると共に、個性あふれるメンバーの顔を発信する場を提供して頂きたいと思います。
財政特別理事
青年会議所しかない時代から青年会議所もある時代と言われて久しい昨今、2008年度12月に施行された公益法人制度改革により、“青年会議所がある時代”へ引戻すチャンスが到来したと考えます。本年は、財政特別理事を中心に全メンバー総意のもと公益法人取得に向けた申請業務の準備に取り掛かって頂きたいと思います。また年々厳しくなってきている財政状況を鑑み、事務局との連携を密にしながら、各事業の費用対効果を検証すると共に、助成金制度などの情報を収集、紹介し、志高き活動を側面よりサポートして頂きたいと思います。
石川ブロック協議会第40回会員大会
本年は石川ブロック協議会会員大会が10年振りに加賀の地で開催されます。我々の誇りあるふるさと加賀、そして(社)加賀青年会議所の魅力と情熱を発信する機会と捉え、開催地LOMとしてメンバー全員の力を結集し、最大限の協力を行ってまいります。
最後に
床に置いてある荷物を引きずって移動させる時、動かす瞬間にはかなりの力が必要でも、一旦動き始めるとそれほどの力は必要ないと感じたことはありませんか。理由は、静止摩擦力のほうが、動摩擦力よりも大きいからです。我々にも同じことが言えると思います。自分で決めた行動を起こそうとする時、行動する瞬間は迷いや不安に苛まれ大変であっても、一旦行動してしまえば、さほど自らの力は必要ではないと感じるはずです。 “出来るか、出来ないか”という頭の中での思考ではなく、“やる”という勇気と決断があれば、まわりが力を与えてくれるのです。 さぁ皆で一歩踏み出しましょう。自らが心指す方向へ!
“かがもんよ、大志を抱け!そして行動せよ!”